2024年3月15日(金)

本日は仕入れや歯医者さんでお店はお休み。

 

だが弁当はある。焼うどん弁当にした。

 

予定は色々とあるとはいえ、せっかくの休日。

有効に時間を過ごしたいと思っているのだが、朝の時点で今日はすでに「負け確定」みたいなものになってしまった。

 

ここのところ調子良くやっていたのだが、周囲の悩みごと困りごとを聞く機会が重なったせいか、少しメンタルが崩れ気味。

昨夜読んだ『凍』にもやられたのか日付が変わっても全然眠れもせず、それならもういっその事ドスンと落ちてみようか。

で、深夜24時過ぎてから、ちょっと避けてたいくつかの「厳しめな映画」を観る事に。

 

悩んだが、ここは『ある男』を観る事に。離婚して息子を連れて田舎に帰ってきた里枝(安藤サクラ)は、寡黙だが優しい大祐(窪田正孝)と知り合い、新しい家族を作る。

娘も生まれ幸せな生活を送っていたのだが、大祐は仕事中の不慮の事故で亡くなってしまう。

里枝は法要の日に大祐の兄から「これは大祐ではない」と言われ、夫の本当の正体を探し始める…

 

観終わってみると案の定グッタリ。

が、まだ落ち込める。

 

午前2時から、さらに「だいぶ体力あるときにしとけ」と閲覧注意されていた、映画『市子』を視聴。慎ましくも幸せな暮らしをしている長谷川と市子。長谷川は市子にプロポーズをし、市子も喜んでそれを受け入れた。

が、翌日、市子は突如失踪してしまう…

 

『ある男』は男の存在が、『市子』では今度は女の存在がわからなくなっていく。と、話の背骨はほぼ同じだが、『市子』の方が倍はキッツい。

とにかく、貧困やら差別やら社会制度やら、この2本で現在の日本における社会的な弱者の人々の抱える問題がだいたいに詰め込まれているように思う。

両方ともに絶対に観ておく映画だった。精神はゴリゴリに削られてしまったが。

 

と、こんな感じで午前4時過ぎまで厳しい映画を観たもんだから、ただ落ち込んでいるだけの朝。焼うどんも、味はどうだったのかよくわからない。

 

しかし、こうなったらもうトコトンやるしかない。娘たちを送り出したら、ルームランナーで7kmラン。本当は10kmは行きたかったけど、流石にカラダが動かなかった。ただ、しっかり汗をかいて少しは晴々したような。朝風呂も気持ちよかった。

 

長女は自らの運転で歯医者さんへ向かう。助手席に乗っていたカミサンに、後から感想を聞いてみたがやはり「恐ろしいもんだわね…」と。ほんまそれ。

 

俺も歯医者さんの予約を入れてあるのだが、それまでに後2時間ちょいある。

ここまで来たらもう1発いってみるか。しかも相当な高評価かつ「ちょっともう2度とみたくない…」という意見まで、様々な感情が交差するというアレ。

『こちらあみ子』

 

幸せな時もあった。

 

尾野真千子だって、本当に頑張った。すごく頑張った。

でも、家庭は壊れてしまった。

 

あみ子を見ていると、うちの三女が大暴れしたり3年生の頃「おばけがいるみたい」と不登校が始まったのを思い出す。

あの頃、辛かった。

映画の後半。そろそろ歯医者さんの時間なのに、もうボロボロに泣けてしまって仕方がない。

 

今日だけで3本の映画を観たが、とにかく出てくる「男」がほとんどボロカス。なんでお前らそんな風にしかなられんかったんや…

『市子』の長谷川以外、ほっとんどクズか頼りないかのどっちか。

ただ、振り返ってみれば俺もその「クズで頼りない」をダブルで兼ね備えており、映画観ながらドンドン自分までもが情けなくなってくる。

 

しかし『あみ子』の終盤、そんな50前のオッサンを励ましてくれるようなクリクリ坊主が。

社会に誰も味方がいなくなってしまったあみこに、ぶっきらぼうだけど自然で、だけど精一杯の思いやりを見せる坊主。こいつのおかげで、涙腺が完全決壊。うわぁ〜〜ん、と声をあげて泣いた。

バカだけど、イイ奴！…お前、ひょっとしてあの『桐島、部活やめるってよ』の野球部のキャプテンじゃねぇのか！

彼のおかげで「大丈夫、未来はまだまだ明るいわ」と信じる事にした。

 

ラストの海のシーンがまた凄く、久しぶり「やめろ！」と画面に声るほどに焦らされてしまった。

多分Netflixで観られる方が多いと思うが、その素晴らしい海のシーンで映画はエンドロールと音楽が流れ出す。

Netflixの場合、エンドロールで「次にオススメなコンテンツ」が画面に邪魔してくるのだが、絶対にそこで切ってはならない。

エンドロールもエンディング曲も絶対に最後まで観て欲しい。ラストの1秒でまた「あぁ〜！」と声が出るだろうから。

 

「2度と観れない」という人の気持ちもわかるほどの強烈な3本だったが、気持ちもわかる。

ただ俺は全部大好き、マイフェィバリット100には絶対に入る映画となった。

 

15時から歯医者さん。

歯石を取ってもらいながら、うつらうつらと寝てしまっていた。歯石取られながらでも寝れるもんなんだな。

 

三女と図書館。

今日はまだまだ頭に入れる日。脳を大パンクさせて、泥のように眠ろうと思うがどうだろうか。