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2023-01-13

徳で取り返せ

2023年1月13日(金)

朝。長女はデカいスーツケースを引っ張って登校。

授業が終わり次第、クラスメートたちと共にお隣の浜田市のビジネスホテルに向かい、明日の大学入学共通テストに備えそちらで2泊する。

 

明日の朝、俺が会場まで送ってやっても距離も時間も全然問題は無い。

だが、万が一、大雪が降ったりして試験が受けられなかった場合、救済措置をしてもらえるのは「学校が用意した宿泊施設とバスを利用した者のみ」である。

試験受けるのにも、わざわざホテル取ってバスをチャーターしておかねばならないってんだから、田舎の子もなかなかにお金がかかるわ・・・。

 

でもまぁ、そんな事はどうでもイイ。長女よ、これまで頑張ってきた成果を、余すこと無く発揮してきてくれ。

「・・・、さほど頑張ってもないけどね」。わかった、普段どおりでやってきてくれ!

 

ランチはボチボチ。

ピークが落ち着いた頃、カミサンは1人で広島に仕入れに。今日は夜営業は休みにしておいたので、ココを利用して仕入れに行ってくれた。ありがとう。

 

俺は残って夕食の支度やら、お洗濯やら、次女と三女のお迎えやらをする役目を仰せつかった。

長女も頑張る、カミサンも頑張る、俺も頑張る。

 

アルバイトのえっちゃんの賄いを作っている頃、少し離れたところに置いてあるスマホに着信があるのがわかった。

誰かの名前が出ているワケではなく、相手の電話番号の数字が並んでいる。

 

アタマは「0120」などの営業電話では無さそう。

イヤな予感がする。

 

近づいて覗いてみると、その下4ケタですぐに「これはマズい事になったぞ・・・」とわかった。

「0110」、警察からである。

 

「あ、マスターさんですか?こちら広島県警ですが」

「・・・はい」

「財布や免許証が拾われて、ウチに届けられています」

「・・・そうですか」

 

俺が年末の腕相撲大会で出張ったときに、広島で落としてしまっていたらしい。

しかしそれがなぜにこのタイミングで連絡があったかというと、

・俺が島根の浜田警察署に落とし物届を出す

→島根県警のデータベースに載る

→それが今度は警察庁のデータベースに載る

→そして各都道府県警察がそれを見る

→今日広島県警が俺の「落とし物届」を見る

→「ウチにあるじゃん」

という流れらしい。なるほどね〜

 

「そちらに書留で送りましょうか?」と仰っていただけたのだが、偶然にも本日その付近に家内がおりまして。

で、結局カミサンが仕入れのついでに俺の財布を取りに行ってくれた。取りに行っていただきありがとうございました。そしてお騒がせし、大変申し訳ありませんでした・・・。

 

各方面から「再発行が終わった頃、財布が出てくるんじゃないの〜?」と言われていたが、まさにその通りになった。

でもこれは警察に行ったり免許証の再発行の手続きをしたからであって、あのまま「いつか出てくるだろう」では絶対に出てこなかった。

それに、まだまだ処理が終わっていない段階のものや、そもそも何を失くしてしまったのかもわかっていない今の状況で財布が発見されたというのは、これはとても「幸運」だったとしか言いようがない。

 

しかし、この幸運が大問題なのだ。

今このW受験という一家の大騒動のなか、「幸運」というのは受験にとって非常に非常に重要なファクター。

アホな酔っぱらいのダメ親父がその「幸運」を使ってしまってどうするん!どーしてココで財布が見つかっちゃうの!春になってからでイイのよ〜〜〜〜!

 

とにかく急いで「善行や徳」を積まなければならない。俺が使って目減りしてしまった幸運を、少しでも補填しておかねば・・・。

 

ランチに来ていた隣の美容師ダイチにラテをおごり、たまたま駐車場に落ちていたクレジットカードの持ち主を探し出し、本人さんにお返しも出来た。

しかし、こんなんじゃあ全然まだまだ「徳」にはならん。

明日の長女のテストまでに、なにか早くもっと「善行」を。

 

そういえば後輩がコロナでぶっ倒れていたのを思い出し、急いでピザを数枚こしらえてそいつの家まで。玄関先にポンっと置いておき、LINEで「焼いて食え」とだけ伝えておいた。次だ!

 

あと何か困っている奴はいなかったか・・・?

 

そうだ!土建屋ショウが子供とバスケットしてて「前十字靭帯を断裂」つってたな。こいつにもピザ持っていこう。

 

「いや〜、なんか気を遣っていただいて〜」いや、そうじゃないんだ。全く気なんか遣ってはいない。

 

もっと誰かの役に立たなければと思っていたが、ここらでタイムオーバー。あとはお洗濯を取り込んで夕食を作らねばならなくなってしまった。

 

多少は取り返したかもしれないが、俺のせいで要らん「幸運」を目減りさせてしまった。

 

しかし、もうこうなったら仕方がない。

長女よ。つまらぬパパで申し訳なかったが、ここはお前の実力のみで乗り切ってくれ。

せめてもの願掛けで、今夜もアルコールは抜いておきます。

 

長女の「は?それがなに?」の表情が浮かんでくる。そうそう、明日はそのいつも調子で飄々とやってくれ。

 

なお、帰ってきたカミサンがなぜだか財布を返してくれません。

夫婦間トラブルになるようなモノは入っていないつもりですが、もしそうならそうで、それは「やっぱり不運だったじゃねぇか」となり、これまたオールオッケーと。

 

いや〜、受験ってホントに大変ですね。

 

これがあと1ヶ月以上あるのか・・・

 


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