女王陛下
2021年11月3日(水)
文化の日でございます。
次女は中学校でクラス対抗合唱コンクール、みたいなものがあるらしく本日は登校日。
お弁当のリクエストはまたもや「カツサンド」だった。こんな短いスパンで同じもんでイイのか?と訊くのだが、「わたし、カツサンドなら毎日いけるわ」という。
なるほど、次女が宣ったそれは1つの真理でもあり、同時に俺が若者のみなさんに伝えたい事でもある。
それはすなわち「カツサンドは、今しか食えないぞ」という事だ。
オジサンになった今、マスターはそもそもサンドイッチすら選べない。コンビニでの選択は「高菜おにぎり」1択になる。わからん子は周りのおじさんに訊いてごらんなさい。常連のT先輩は毎回カツカレーを頼んでくれるけど、ありゃあ俺という後輩の前で相当ムリしてるはず。
中高生は今のうちにたくさんカツサンドを食べておきなさいね、そんな思いで今日のお弁当を作った。
それからルームランナーで映画観ながら5kmほどラン。映画は1969年制作の『女王陛下の007』。
ランチ。
満席御礼、ありがとうございました。
夜。
今日はさほど忙しくはならんだろうと踏んでいたが、おかげさまで大忙しでございました。ありがとうございました。
深夜、明日の朝食とお弁当の仕込みしながら『女王陛下の007』の続きを鑑賞。
ハードボイルド、ギャング、そしてスパイ・・・。色んなジャンルの映画が好きだけど、これを観て改めて己の無知さに愕然としたわ。
これを観ずにして俺はこんなに映画というものを楽しめていたのか・・・、恥ずかしい話だ。俺の好きな映画って、だいたいこの『女王陛下〜』のパロディみたいなもんなんだな。
つくづく思う。「新しいアイディアなど無い」のだと。
アイディアとは「既存と既存の掛け合わせ」。どんなに「コレは新しいものを思いついた!」と思っても、それは必ず何かに影響を受けた上での発想なのだな。
全ては温故知新であるという事か。
こうやって古い、そしてイイ映画を観る度に、俺は死ぬまでに望む全てのコンテンツを消費する事などは出来ないのだろうと思い少し悲しくなる。
ムチャクチャに美味いワインを飲んだ時も同じような気分になるのだが、しかし、「知ってる人生」と「知らない人生」なら、俺は絶対に後者を選びたい。
満足だと思える人生よりも、「まだまだ足りねぇ」と、もがいてもがいて悩み苦しむ人生もまた一興だ。カツサンドはもう諦めたが、もっと別の面白い事を貪欲に探す自分でありたい。
と、そんな風に思わせてくれる『女王陛下の007』でございました。