呪いが解けていく

   

2019年4月25日(木)

仕事が終わってから、さて水道の修理だ。特別に重要、では無い蛇口ではあるが、使えないのはそれは不便だもんな。頑張らなきゃな。

 

しかしお店のウラにある元栓が閉まらない。仕方ないので雨の中の畑や田んぼの土手をトボトボ歩き、草むらの中の元栓of元栓みたいなヤツを閉めに行った。この時点でもうゲンナリ。果たしてコレを閉めたところで直せるかどうかわからんし。なんでこんな所に元栓があるんだよ、なんてもうひたすらブツブツ言ってたような気がする。

 

で、店に戻って蛇口を分解したり、また元栓を開けたり閉めたりすると、直った。おお!理由はわからんが、とにかく直ったぞ!

 

で、ここの蛇口から水が出始めると同時に、なぜか別の蛇口の水が止まる。って、どうなっとんじゃい!!!

なっとらんぞ!お前ら蛇口!全然こんなの笑いのセンス無い!もうドリフがやり尽くしたヤツじゃないか!

もう知らん!寝る!なーんで、こんなに仕事以外のところで疲れてばっかりいるんだろう。

 

朝寝坊。疲労回復感ゼロ。

ランチ、元気よく営業。プロは「蛇口が直ったと思ったら、また別の蛇口の水が止まる」くらいの事で動揺しないからな。

 

ランチが終わる頃、遠く江津市から頼りにしている水道屋さんが駆けつけてくれた。「あぁ、それは大変でしたね。じゃあ今から見てみましょう」と1時間ほど調べてもらってそれであっさり解決。さすが・・・。

 

町内や近くの町にも素晴らしい水道屋さんがあるのだが、ココの水道屋さんは2年前にキッチンのリフォームをした時に工事してくれた水道屋さん。内部のこともよくわかってくれているし、それになんと言ってもそのリフォーム工事の時の仕事っぷりが気に入って、だいたいコチラにお世話になっている。

 

当該場所を修理してもらい、それからせっかくだから池に入ってくる山の水についてもいろいろ相談してみた。年に何度か水が止まってしまうんですよね〜。

一緒に湧き水のところまで登山してもらい、現場を見てもらった。プロに見てもらうには恥ずかしいレベルの設備だが、でもここは素直に教えてもらおう。

 

もう40年以上前にウチのじいちゃんが作った水くみ場。ただガケになってる所にパイプを突っ込んであるだけの素人仕事なんですけどね・・・、と言うと「いや・・・、これはそうではありませんよ・・・」。

ん?と言うと?

「これはガケでは無いです。水が流れているところに岩を積み上げて、ろ過装置を作っていらっしゃるんですね」、え?これ自然の形じゃないんですか?

「そうです。これはおじいさんが水を引くために岩と石で『巨大ろ過装置』を作られています。とても素人仕事とは思えませんよ、山から水を引く方法としてはほぼ完璧に作っていらっしゃいます。これがパイプを入れているだけなら、毎日泥や葉っぱを取り除く事になっていたと思いますよ」

じいちゃん・・・。

 

池の水が止まるたび、「なんだよ、かったるいな」と直しに行っていたけど、それでも水が止まるのは年に3~4回。じいちゃんのおかげで100分の1の労力で済んでいたのか・・・。

「すごいおじいさんですね」

 

じいちゃん。

アル中で、鉄格子付きの病室に入院させられ、近所からも家族からも憎まれ嫌われて死んでしまったのに。じいちゃん、今、水道屋さんが凄いって言ってくれてるぞ。

今俺が42歳。逆算したら、きっとこの「ろ過装置」を作った時のじいちゃんも同じような歳だったんだろう。じいちゃん、俺こんなモノ到底作れねぇよ。

 

じいちゃん、ダメな部分しか見れてなくてゴメンな。もっと俺がじいちゃんの凄いところ知っていれば、敬意を表していれば、じいちゃんアル中になんかならずに済んだのかもしれないな・・・。でも、俺知らなかったから。

 

「呪い」が解けていく。

ずっと悩んでいた田んぼだって同じだ。「かったるい、めんどくさい」と思っていたけど、それでも昔と比べたらきっとじいちゃんがずいぶんと作業しやすくしてくれているんだろうな。じいちゃんが真剣に田んぼを作っていたのは、ぼんやりながらも覚えているよ。

 

今週末は、また田んぼを耕す。いままで情けない事ばかり言ってたけど、俺もう泣き言いわずに田んぼ頑張るよ。

蛇口、止まって良かった。直ってもまた止まってくれて良かった。水道屋さんがじいちゃんの事「凄い」って言ってくれたの、俺一生忘れない。ありがとうございました、明日からまた頑張ります。


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