この夏のラストチャレンジか
2023年8月3日(木)
朝7時。
次女、大阪への一人旅に出発。高速バスで長女の待つ梅田へ向かう。
高校生なんだからそれくらい出来るだろうとは思うのだが、いかんせん普段から電車に乗ることもない田舎の山奥の高校生。
がんばって行ってこいよというと、「パパの方こそ頑張ってね」と。
次女を見送り、俺も松江に出発。
さて簿記3級試験、満足のいく結果が得られるかどうか。
途中、宍道湖PAで休憩。ベンチに座って烏龍茶を飲みながら湖を眺める。
それにしても俺はいったい何で簿記3級を受けることになったのか。
背中を押したのはショーケンの泣き言であるが、そもそもの始まりはなんだったっけ?商売人としてはもちろん「簿記」というモノは絶対に学ばなければならんのだが、試験を受けるところまでに至ったのはなんでだっけか。
振り返ってみると、三女の「不登校」も大きく影響していた事を思い出した。そうだった、三女の「漢検」だ。
2年ほど不登校していた三女は、普通にしてりゃあその間に学んだであろう漢字が苦手。
もはやコンプレックスにまでなっていた。
漢字なんてドリルでもやってりゃあそのうち覚えるだろうが、2年も不登校していると、そもそも「勉強の習慣」もない。
そこでなにか程よいハードルを据えてやって、それのクリアを目指せば目標も出来るし、その間に勉強の習慣も身につくはず。
そこで5年生までの総ざらいするのに丁度いい「漢検」を受ける事にした。
3ヶ月くらい勉強し、そして、無事合格。
なんせタイミングも良かった。
というのも去年の我が家は「受験戦争」。長女は大学、次女も高校受験という、お姉ちゃんの2人ともが必死こいて勉強してくれているという環境だったもんで。
合格したという事実は自信になったようだ。漢字に対する苦手意識もなくなっているし、気づけば漢字だけでなく算数のドリルなども積極的にチャレンジするようになっている。
別に勉強が得意になる必要はないし、三女は三女なりの自分の「好き」を見つけて愉快な人生を歩んで欲しいとココロから願っている。が、「勉強する」ということへのハードルなんてもんは低い方がイイし、なにごとも真剣に取り組めば楽しいもんだと感じて欲しかった。
我々親としてみれば、実は漢検そのものはどうでもよく、自信を取り戻し、苦手意識を払拭してやる事こそが重大なミッションであった。
そしてその良き流れのまま、もう1つ上の級の漢検を受けてみたらどうだろうか?と提案してみたところ、
三女は「うん、受けてみるわ」と。
おお、やはりいい傾向があるな。
「でも、パパも受けなさいね」。
え?
「パパは漢検1級ね」
え〜〜〜、俺、漢検受けるの〜〜〜?
しかし考えてみればそりゃあそうだ。
娘たちには勉強しろなんて言いながら、オヤジの方はハイボール飲みながら映画観たり本を読んでいるだけ。
確かに、これはみっともない。
大人も勉強するべきだわな。
漢検は悪くはないが、でもどうせ勉強するなら、今の自分に最も必要ななにか…。
そうだった、それで「簿記」をやろうと腹をくくったんだったな。
そんな事を考えていると、試験会場のある松江に到着。
問題集などを眺めていると、あっという間に試験の時間になった。
一般的なペーパー試験はタイミングが合わなかったので、俺は「CBT試験」を受験する事にした。
試験会場に設置させられているパソコンに向かって問題を解いていく、ネット試験だ。
普段は設問にたいしてメモを取りながら勉強していたのだが、本番はパソコンの画面が相手。問題用紙にメモは書き込めない。
これが大いなる不安材料なのだが、でもやるしかない。
会場のLEC松江校。
事前に場所を確認した時は何も思わなかったが…
三女が漢検を受けたのは「松江テレサホール」という会場で、それは立派なモノだった。
だが、本日俺が受験するLEC松江校というのは、ただの「マンションの1室」…。な、なんか、テンションが上ってこないな。
カバンを預け、入り口(ただの玄関)で靴を脱いでその一室に入ると、もう何人かの受験生がパソコンに向かって試験を受けていた。
「それでは始めてどうぞください」と、俺も1台のパソコンの前に案内されたのだが、その前にトイレに行っておきたい。
トイレの場所を尋ねると、なんと「トイレは貸し出しておりません」との事。そんな事あるか?
「会場には待機する場所がありません」と書いてあるからギリギリに来たのに、トイレのために急いで向かいにある島根県民会館まで走って往復。試験前にする事じゃねぇわ。
今後もし簿記試験を受けられるという方には、ペーパー試験とCBT試験、どちらがイイとは言わないが、せめてここLEC松江校での受験は避けた方がイイと言わざるを得ない。
そして試験開始。
最後の最後の1秒まで、ずっと打込み作業。全然時間が足りなかった。
で、結果。不合格。あと2問合ってれば…
松江に着いた朝には、次のサーフィンのためにサーフショップに寄ってから家に帰ろうと思ったが、メシも食わずに急いで帰宅。
やることは決まっている。家に着いたら、すぐに勉強。教科書の1番最初からやり直す。島根中央しんきんさん、3色ボールペンありがとうございました。とても勉強の役に立ちました。
そもそも俺は勉強が得意な方ではないんだ。試験に落ちてもなんにも不思議はない。
不器用だし、要領も悪い。
だが、根性はある方だと思っている。それくらいは自分を信じてやりたい。
だから家に着いたらすぐに勉強、ショボくれている時間が勿体ない。
CBT試験は問題用紙もメモももらえないので、どこを間違えたかもわからない。しかし、それがイイじゃないの。ゼロからやり直すしかない、いやむしろそうするべきだ。
考えてみれば、70点の最低点で受かってそこで簿記の勉強をやめてしまっていればそれはむしろ大損になるトコロだった。
落ちたおかげで、まだまだしっかり勉強できる。絶対にその方が俺とお店のためになるはずだ。
それに「感情」と「記憶」は相性がイイと知っている。
この悔しい気持ちを持ったまま勉強すれば、今日勉強したところはしっかり定着してくれる。
ショボくれる必要など全くなく、何もかもが順調という事だ。
サラッと合格して娘たちには「カッコいいパパ」を見せたかったが、それよりも、ここで諦めずに腐らずに、「泥臭くリベンジする姿」を見せる方がよっぽど大事にも思う。
そう思えば、やはり勉強というモノは何も苦ではない。
帰宅してすぐ、しっかりと歯を食いしばって、再びテキスト1ページ目から取り組んだ。
来月あたり、また受けて来ようと思う。
次は「なんとか合格」とかしょっぱい事など言わないで、「満点」狙って受験してやろうと思う。
夜まで頑張って勉強していたのだが、カミサンの方は「ま、今日は飲みに行こうや」と、俺のそんな意気込みなどはまるでどーでもイイといったご様子。もうちょい勉強したかったのだが、居酒屋さんに連れ出してってくれた。
明日は5泊6日のキャンプから三女が帰ってくる。
イイ報告が出来ないのは残念だが、三女が帰ってくるのは楽しみ。早く会いたい。