花を咲かせる場所
2022年7月2日(土)
稼ぎ時の土曜日であるが、今日は次女の「高校説明会」。今年度は長女と次女のダブル受験なので、週末に営業出来ない日もけっこうある。
でもイイよ。
こんなの一生に一度の事、受験というイベントを家族みんなで楽しもうや(そんな風に言っていた土建屋のS社長は、その数年後トリプル仕送り&留学というとんでもない出費にパニクっていたのだが)。
高校の体育館に着くと、そろそろ受験生が集まり始める頃あいだった。中学生たち、このあと続々集合。関西ナンバーの車も多かった。
それにしても。
次女の通う中学校の同級生たちは、みんな送迎用のバスで来ている。降りてきても特に次女と話すことは無いらしい。
少し前にバッチリいじめを喰らってバレーボール部を辞めた次女だが、お前、もしかして部活だけじゃなくて学校そのものから「浮いてる」のか?
「全然平気。大丈夫だし」。あ〜、パパもそんな感じだったかな〜
一通り説明も終わり、学校が用意してくれた昼食をいただき、それから部活体験へ。
次女は「軽音楽部」へ体験入部。
最初はずっとやってみたいと言っていたドラムへ。お兄さんに教えてもらいながら、ジャン、ドン、ポカン。ジャン、ドン、ポカン。
次女はこのままドラムを体験したかったみたいだが、ドラムセットは1台しかないので、他の子にもやらせてあげたい。
というわけで、ギターへ。
「こうやって練習してみましょう〜」と、他の体験入部の子らと練習するのだが、この次女は実は放っておいたら5時間くらいはギターを弾き続ける子。
すぐに高校生のお兄さんお姉さんにバレ、「え?ギター弾けるの?」「いや、今日が初めてです(エレキは)」
その後、普段どんなの聞くの?それ弾いてみようよ、と提案されたらしい。
「クリープハイプとか練習します」と言ったようなのだが、先輩方にはわからなかったよう。
しかしそのなかの1人のお姉さんが「クリー・・・?、あ!『のびしろしかないわ〜』とかのヤツ?」
「・・・それは『クリープハイプ』じゃなくて、『クリーピーナッツ』。けど、弾ける」
と、体験入部の中学生ながら1人で演奏。
終わるとお兄さんやお姉さんから「すごいすごい!絶対に入学して!」と大絶賛。そして次女もとても嬉しそう。
こんなに誰かに褒められている次女をみるのは初めてだった気がする。
カミサンは「マスター、ちょっと涙ぐんでない?」と茶化してくるが、だってなんか嬉しいんだもの。
小学校も中学校もずっとふてくされていた次女。「人それぞれ、咲く場所があるって事よねぇ〜」、ココがそうならホントに嬉しいよ。
ギター上手くなったって、それでどうなるの?
そうですね、それで喰っていけるってワケでもない。次女のギターだって、別にもっと上手い同年代もいくらだっている。
でも「放っといたら5時間もやり続けられる」って事、そんなにある?上手いとか下手とかではなく、そんなに好きなものを見つけられた事が素晴らしいのだ。
否定されたり馬鹿にされたりしてもイモ引く必要は無い。そっちの方がイイんだ。
「羨ましい」とか「ワタシも欲しい」なんて言われるようなモノなんて、むしろどこにでもありふれている。
「ギターなんか上手になって何になるの?」と言ってくる人が多ければ多いほど、それは「自分の価値観で生きている」ことの証明だ。
今後もどんどん「そんな事一生懸命やってどうするの?」と言われ続けていけ。中学校ではもう少し引き続き「浮いてる」かもしれんけど、そんなツラい時は今日のお兄さんやお姉さんを思い出せ。
自分だけの「好き」を大切に出来る人生を歩んで欲しい。
学校説明会が終わると、クリープハイプやスカパラを大音量で流してノリノリで帰宅した。
「今日、パパとママが一緒にいてくれて良かった」。こちらこそ。