「のんき」、「駅前」
2022年5月31日(火)
「もう!そんなにイライラするくらいだったら、朝ごはんもお弁当も作らないで!」
「何だと〜!だったら絶対作らんし、あと、お洗濯もやらんし!」
と、昨日カミサンと言い合いになったのだが、朝食は作らんお弁当も作らんと言ったところで、早朝に目が覚めないかといったら、それは別に覚める。
昨夜は肩周りが非常に痛く、お抱えマッサージ師のゴッドハンドかっちゃんに急遽カイロプラクティックに来てもらった。
その後ダラダラと「邑南町〜美郷町ゴシップ」を聴かせてもらっていた間、相当にハイボールを飲っていたのだが、今朝もちゃんと6時には起床。二日酔いも無いし、四十肩もいくらかはマシだ。
お弁当も朝ごはんも作らないとなると、それはもうお店の掃除と仕込みをするしかない。
もう半ばヤケクソみたいな感じで朝7時半にお店をオープンしてみた。
そもそも公称「11時オープン」のお店が、朝の7時半からお店を開けて何の意味があるのか。マスターが家に居場所がないからオープンするだけである。
が、8時にはお客様ご来店。
そのお客様は自然な感じで中國新聞を手に取って、「モーニングください、ホットコーヒーで」。
初めて見るお客様だったのだが、なんなら俺よりも「喫茶とおりみち」に慣れてるような佇まい。これは負けるわけにはいかないと、「少々お待ち下さい」って自然風に返してひとまずはコーヒーを淹れた。
しかし問題はその「モーニング」。
「こんな感じで行こうか」と、仲が良かった頃にカミサンと話したぼんやりとしたカタチがあるにはあったが、具体的にどうするかは決めていなかった。しかもカミサンは長女を高校に送って行ったので、今はまだ帰って来ていない。
だが、なぜか自然とカラダが動いてサンドイッチを2種類ほど拵えられた。生ハムきゅうりのサンドイッチと、たまごのサンドイッチと。
基本的にお店の料理はすべてカミサンが作る。
今回の朝営業についてカミサン的には「メニューをどうしたらイイものか・・・」と思っていたようだった。が、サンドイッチなら俺の方に一日の長がある。
昨日までのほとんど、俺が娘らの朝食にサンドイッチを作ってたんだから。
・・・まさか。
昨日カミサンが「もう朝食作らんでイイ!」と言ったのは、「マスターはモーニングの方を頑張れ!」という意味だったのか?
そんな思いがよぎった瞬間、お客様は「ごちそうさま〜」とだけ言ってお帰りになった。このオジサンに何か感想をもらいたかったが、ニコッと笑って帰っていくだけだった。天使だったのかな?ふわふわなパーマだったし。
それからクリエイティブSさんが来てくれてミーティング(兼、夫婦喧嘩の相談)。
Sさんも「最近、喫茶とおりみちが朝から開いていますよ」とまわりに周知してくれているようなのだが、「で?何が食べられるの?」という反応が多いらしい。
やはり、「朝はこれです!」と言える何かが必要かもしれん。
だが。
さっきのサンドイッチの件はあったが、俺もSさんも「サンドイッチも悪くはないが、それよりも・・・」という、「ある案」で一致。
カミサンを納得させるのには難しいかもしれないが、しかし俺の飲食業界人生で見てきたいろんな成功事例にズバッと当てはまる「ある案」なのだ。
夫婦喧嘩が終わったら実行してみようと思います。
ランチ後。
えっちゃんが「マスター、日光も浴びた方がイイですよ」と言ってくれたので、庭で読書。『アノマリー/異常』を。
最初の5行で「あ〜、コレ好き〜〜」と身を捩るほどに、俺の趣味ドンピシャ小説。好っき〜〜〜
普通「そんな事したら登場人物一人ひとりの存在が薄くなって・・・」に、ならない深い人物描写。そんな素晴らしい表現にさらに素晴らしい翻訳が重なって、その5行目から一向に話が進まない120ページ目まで一気読み。話が進まないのに引き込まれるって、最高の読書体験だし、それにきっと進んでいるんだろう。
海外文学は「人物のカタカナの名前」を覚えておくのに苦労するのだが、この本でもドンドンドンドン新しいキャラクターが登場してくる。してくるが、大丈夫。この『アノマリー』では、覚えなくても全然平気。
先月読んだ『プロジェクト ヘイルメアリー』以来、全く「本運」に恵まれなかったが、これは素晴らしいモノに出会えた。
まだ最後まで辿り着けてはいないし、さっき突入した中盤から「おいおいおいおい・・・」と話が更にドライブしてきてくれているが、多分今年の俺の読書ログでもベスト3に入るだろう。
ここから先どうなってもイイわ。もう充分楽しませてもらったし。ただ、きっとそうとう面白くなりそう。
早めに図書館に返しますので、ここのブログを読んでくれるような「ハードボイルド好き」な皆様も是非に。