正論

   

2017年3月18日(土)

熱はまだ下がらない、もう、いい加減苦しい。ぎっくり腰で寝返りもうてず、ろくに眠れもしていない。一体、どうなってしまったんだ。

 

そして、今日は右耳が聞こえなくなった。今から40名の団体様、明日は地域のお祭りがあるのに。

 

この瞬間を逃したら、更にコンディションの悪い中で仕事をせねばならん。急いで耳鼻科に向かった。耳鼻科まではクルマで1時間。その間、耳は動脈のドクドクがずっと聞こえる。

しかし嬉しかった。「そうか、この熱は耳に原因があったんか」。耳鼻科に行けば何らかの処置なり薬なりがもらえて、これで熱も下がってくれるだろうと。

 

花粉症の時期だからか、耳鼻科は待合の20席にも座れないほど混雑していた。1時間待ってようやく診察してもらえたが、先生はたった一人でこの患者数をこなしている。あまり丁寧には診てもらえず、こちらの話も聞いてもらえなかった。結局「異常ナシ。治らなかったらまた来週来てください」で診察は終わった。

 

これで熱が下がってくれると勝手に喜んで、そして帰りの車中はその反動で絶望的な気持ちになった。

 

店に帰ると、団体様の料理をカミサンとお義母さんが作ってくれていた。何にも手伝えず、本当に申し訳ない。夕方からは妹夫婦も帰ってきてくれて、全員で団体様のご予約をこなした。

 

それにしても「友達なんだから安くやってくれ」というセリフ。そんな事言うヤツが俺の友達なわけないだろう。

 

終われば、明日のお祭りの仕込み。だがもう、全身がガタガタ震えるほどに寒い。義弟とカミサンに任せて休ませてもらった。

全員ボロボロ、疲れ切っている。カミサンとも、顔を合わせば記録的な大ゲンカばかりだ。

 

 

2017年3月19日(日)

 

朝7時から焼きそばを120人前焼く。1時間ほどした所でお義母さんが助けに来てくれて、俺は8kgの唐揚げの方へ。

 

熱は下がらず、耳も聞こえない。耳が聞こえないと、言葉が出なくなりコミュニケーションが難しい。すべてが悪循環で、飯も食ってないし寝てないし、こうなると「世の中、全て敵」モードに入っていく。

 

多分、今日はマズい事になるだろうと思いながらお祭り会場へ。

なぜ俺が一人で焼きそばと唐揚げと焼き魚をせねばならんのか。焼き鳥には5人も6人も居るのに。

そのうちレジまでさせられそうになった時、もうアッタマに来て、そこらにいる奴ら全員に罵詈雑言を浴びせ、職場放棄。店に帰った。

 

高熱が出ている。しかし、今日のお祭りの打ち上げ会場はウチなので、その準備もせねばならん。「熱だし、ぎっくり腰もあるんだ」勘弁してくれと頼んだが、だってもう他に店が無いからと、押し切れられた。

フラフラでその準備をしようとしていると、義弟の軽口がどうしても許せずここでもまた大モメ。カミサンからも「アンタが悪いんやから、謝り」と、もう完全に全方向が敵だらけ。どうでもイイわ。

 

結局、15名様の団体は一人でこなした。カウンターにはオッサン達が陣取り、「熱があるんなら早く寝なきゃ〜」と「正論」を言いながら5時間飲んでいた。

 

感覚的には、熱はきっと38℃後半くらいだろう。「せっかく地域の祭りなんだし、お前の店を使ってやらんとなぁ」と言う酔っぱらいに「そんなんイイから、早く帰ってくれよ」と返した所で胸ぐら捕まれ、今日すでに何度目かわからんがまたケンカスタート。どうやら昼の俺の言動がムカついているらしい。やってやるよ、自営業なめんなよ。

 

「もうどうなってもいいや」と思い、その酔っぱらいを駐車場に放り投げた。アドレナリンが出てるのか、腰痛も無い。調子づいてきたし、ついでにフェイスブックで「ぎっくり腰なら、僕イイ矯正グッズ販売してるんですよ〜」と人の弱みに付け込んで営業かけてきたヤツも近々シメに行ってやろう。

 

ここまで書いてて全部俺が間違っているんだろうとわかっちゃいるが、こうなったらどうしようもない。

 

カミサンや周りは「正論」で責めてくるが、正論を通用させるにはよっぽどのタイミングが必要だ。正論言うヤツって、葬式で悲観にくれてる遺族に対して「泣いちゃいけないよ。前に進まなきゃ」とか言い出すようなヤツだろう。

そんなションベンみたいな正論になんの説得力も無い。それでスッキリしてるようなマヌケに何を言われても、響くどころか嫌悪感しか無い。

 

15人分の片付けをしていると、妹がやってきた。妹はただ話を聞いてくれて、そしてひたすら「うんうん、わかるよ」。気持ちがスーッと晴れるようだった。

 

弱っている人間は「共感を求めている」。正論だの矯正グッズだので、癒されるわけがないだろう。


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