矢上高校
2026年5月27日(水)
夜。
珍しくアサリちゃんが俺の床で寝るらしい。
だいたいカミサンのベッドで寝ているようだが、なにか叱られたりしたんだろうか?かわいそうに。
朝になったらいなかったけど。
今日もお店はお休み。
朝は三女と一緒にゆっくりおかゆ食べたり、ゴミ出ししたり。
レジの周辺の機器のメンテナンスしたり、商工会とやりとりしたり、その他営業中では出来ないような作業をコツコツと。
電気工事のリュウから連絡。「マスター、今日IH設置できますわ!」。おぉ、そりゃあ都合がイイじゃない、よろしく頼むわ。
これで通常営業に戻れる。リュウ、ありがとうよ。
昼過ぎ、地元にある矢上高校へ。
矢上高校の授業の一環なのか、生徒さんの「なんらかの探求」のお手伝いをするというお役を仰せつかったので出向いてみた。
勝手がわからないので、どーしたもんかいのーと思っていたが、駐車場に着くとウチの設備関係をやってくれてるアッちゃんもその協力パートナーでいてくれてご指導たまわる。
とにかく矢上高校の生徒さんの話を聴いてあげればそれでイイという事らしいが、なんで高校生が見ず知らずのジジイに話したい事なんてあるだろうか?
「出しゃばらず、大人しくしておく」、これだけは守ろう。
事前に資料をもらっていたのだが、
コーチングしたらイイってことなのか?俺のコーチングって、平成のそれだけどイイのか?
で、実際に高校2年生のお話を聞いてみたのだが、感想としては「みんな、小器用が過ぎるぜ⋯」。
俺が担当したチームの4人は、なぜか誰もが将来に就くだろう仕事について話してくれるのだが、じゃあなんでその仕事がしたいの?と訊くと、どの子も「その仕事に就いたら『硬い』んで」って。
⋯仕事って『硬い』から選ぶモノなのかね?
このAI時代に硬い仕事なんて無いし、もっと言うと、そもそも仕事ってしなくちゃならんものか?「え?まだ働いてるの?」って時代も来るかもしれんよ?古代アテネとかそうだったんだよ?暇人の方がエラいのは実は今もそうなんだけど、なんで高校生がすでに仕事を決めないといけないのよ?
しかしコーチングの基本は「引き出す事」。
そうやって高校生4人のお話をしばらく聴いていたのだが、ここでちょっと老害ムーブ出させてもらってイイかな?
そんな「将来の仕事」みたいなのはイイから、もっと君たちの好きな事を教えてくれよ。
「〇〇くん、アイドル好きじゃん」「それ今、言わんでもイイでしょ」
イヤイヤイヤ。それよ、それそれ。好きなアイドルがいるの?素晴らしいじゃん、その熱をくれよ!
この授業は今年度1年を使って行われるらしく、俺やアッちゃんは、月イチでこの1年間お付き合いをさせていただく。
来月もこの授業があるらしいのだが、アッちゃんのチームがどうしたかわからないが、ウチのチームの課題は「とにかく100個。各自、好きなものピックアップして来よう」という事になった。
高校生が将来へ不安を持つのはわからんでもないが、一旦仕事とか考えないで、今の自分の「好き」がどこから由来しているかを考えてみようという1ヶ月にしてみようや。もちろん俺も100以上は持っていく。
帰り際。アッちゃんと、肉卸業のイサオとおしゃべり。
俺としては自分自身にも「どうして地元の若者にもっと価値観を広げてやれていないのか?」という憤りを感じた1時間だったのだが、アッちゃんもイサオも同じような感覚らしい。
それはイイ。が、そこからは先輩ヅラしてアッちゃんとイサオに説教。
「お前ら、なんだその装いは?作業服って、どういう意味だ?」
忙しい合間に来ているのはわかるが、それでもお前ら「高校生から見られている」という感覚が欠如してんのよ。
「エンタメとして作業着」を選んでいるのなら、むしろもっと汚れている作業着とか顔に泥が付いているとかして来なさいよ。ホスピタリティ、「楽しんでもらおう」という気持ちが全然まだ足りない。
人前に出るというのは、少なからず「コスプレ」である。アッちゃんもイサオもビジネスマンなんだから、見た目に説得力を持って欲しいし、そしてそれを楽しんで欲しいからこその俺からの老害ムーブよ。
アッちゃんから「マスター。今日、ジョージ・クルーニーみたいですね!」と言ってもらえたが、ジョージ・クルーニー?まぁ、たしかにカッコいいよね。
と思ったが、アッちゃんあの野郎、
白髪がヒゲまで広がってるのをイジってきてやがったのか。
なかなかイイやるじゃねぇかよ。
帰ってからルームランナーで映画観ながら汗をかく。
観なきゃいけない映画が溜まってるのに、どうして俺は『ガーディアンズ〜』ばかり観るのか?
多分30回くらい観ているが、それはだいたい自分の「父性」に不安がある時。自信が減った時はヨンドゥを観るに限る。死んだオヤジにそっくりなんだよな、ヨンドゥ。
今日出会った矢上高校の生徒さんのこれからに良い影響でありたいと思う。最悪でも反面教師でありたい。
今後俺のことなんて忘れてもらって全然イイから、彼ら彼女らの進む人生に何か良い角度をつけてあげれば。
カミサンから、「マスター、けっこう向いてるんじゃない?その矢上高校の仕事」なんて言われたが、たしかに凄く面白かった。
経済が発生しない仕事が好きなんて、自営業者としては致命的だわね。
だが自営業者は行政や福祉と違い「えこひいき」ができる。せめて今日係わった4人の高校生の人生に、なにか善いヒラメキを渡せたらなと願って止まない。











