イーストウッドはまだ遠い
2023年10月25日(水)
神戸にいる頃は、周りに「憧れる先輩」やら「こいつにだけは負けたくねぇわ」と切磋琢磨してくれる仲間に恵まれていたのだが、島根に戻ってからは基本「自分との闘い」。
まぁ、自営業者なんだから当たり前っちゃあ当たり前のこと。
しかしそれはなかなかに孤独なもんで、その寂しさを埋めてくれるのが、俺にとっては映画と本なんだと思う。
「ロールモデルが欲しい」。
自分が「こんな人間になりたい」と思えるようなモデルがあれば、それを目指して生き方の修正が出来る。
S社長をお見送りしてから片付けをし、その後たぶん人生5回目くらいの『グラン・トリノ』を視聴。イーストウッド作品では最も繰り返し観ている、「散り際の美学」。
『グラン・トリノ』を観るまでもなく、13年前、55歳で死んだ親父こそまごうこと無いロールモデルなのだが、親父は55歳から先の生き方を教えてはくれなかった。
カミサンに言わせると「マスターはけっこう長生きするんじゃない?」らしいので、本格的なジジイになるためのお勉強。
これまで「ジジイになってもかっこいいイーストウッドが、更にかっこよく死んでいく映画」だとずっと思っていたのだが、俺も歳を重ね、『グラン・トリノ』も観方が変わってきた。
自分を許す事の出来ない男が、せめて最後は誰かの役に立ってこの世を去りたいと。まず「死ありき」の映画だったんだな。
戦争はお前のせいじゃないだろ、もう許せよ…
前向きになるつもりで視聴したのだが、むしろ考え事が増えてしまって、結局寝たのは5時前くらいだった。
朝7時。
先日カミサンに叱られてからは朝食作りもお弁当作りもボイコットしていたので、朝の業務は放ったらかしでグーグー寝ていた。
が、カミサンがドカドカと寝室に来て「えっちゃんが風邪でお休みよ!」。
え〜、2人でランチか〜
おかげさまで俺の熱は下がってくれていたので、なんとか通常どおりにランチ営業。
熱は下がったが、しかしカミサンとの冷戦は更に冷え込む。キッチンでは一切の会話はナシ。
そんな2人営業を心配し「ピークタイムだけでも行きましょうか?」とクリエイティブS女史がLINEしてくれる。「大丈夫ですよ〜、でも夫婦喧嘩がね〜」と軽く返信したら、カミサンも入っているグループLINEの方だった。しまった。
夜、ちょうどイイ感じの営業。
全てファミリーのお客様で、どの子もだんだんと大きくなっていくなぁ。
そりゃあコッチも歳をとっていくワケだ。