新・薬
2023年10月10日(火)
23時。
横でカミサンが「大丈夫よ!明日になったらイイお薬もらえるから!そしたら絶対にラクになるから!」と、ずっと励ましてくれてる。
発作がもう、いよいよ一線を越えそうになってきた。その「明日」が見えない。
さすがは「自殺頭痛」。
娘たちという存在がなければ、いつ「間違った選択肢」を選んでいてもおかしくない。「せっかく神様が、娘の病気を俺に代えてくれたんだから」というバカみたいな妄想にでもすがってなきゃ、この1秒1秒を耐えていられない。
1時間の発作だった。
「向こう」に渡りたい時って、手が自然と空に伸びていくもんなんだな。
午前3時、第2ラウンド。
もうカミサンを起こしたくないが、俺の唸り声でまた飛び起こしてしまうかもしれない。
こうなりゃままよと薬を倍ほどキメ、アイスノンに顔面を埋めて時間が過ぎるのを待った。
朝。カラダがバキバキに強張っているし、なんせ疲れている。
が、ともかく生きていた。「群発頭痛そのものでは死なない」というのがイイか悪いかはわからんが、朝を迎えた。
三女を小学校へ送ったその足で、広島のかかりつけのクリニックへ。相変わらずの商売繁盛。診察開始の時刻にはすでに20人以上のウェイティングだ。
先生にはもう10年ほど診てもらっているのだが、今回のシーズン10が最もキツいんですと説明。
「確かに今回は重そうですね…」と話し合った結果、これまでよりも「強めらしい」お薬を処方していただいた。
未だ原因不明の病気であるから、正直何が効き目があるのかも探り探りであるのだが、こちとらあの『大奥』を読み込んである。どんどん実験しちゃってください。
「このお薬は心臓に負担がかかります」「もし気分が悪くなったり異常がみられた場合は、すぐに中断してください」「マスターの場合、前回よりもずいぶん血圧が下がっていて、群発頭痛ですでに心臓に負担がかかっているようですので」
なるほど。
でも痛くて心臓に負担がかかるのと、薬で負担がかかるのなら、そりゃあラクな方がイイですわ。そのお薬、喜んでいただきます。
診察はすぐに済んだ。
カミサンは仕入れに行ってくれているので、俺はブラブラ広島散歩。
秋晴れ。頭痛がない時間というのは幸せだな。
バイク屋さんなどをひやかしてみたり。絶対にカミサンの許可は出ないだろうが、見るだけでもイイ気分がする。
しばらく歩いてからカミサンと合流。
カミサンとも散歩。連休明けだし、午後3時だしで、行きたいお店はどこもお休みだった。まぁ俺らも休んでるけど。
新しい薬が効いたらイイが、どうだろうか。
凹むのも飽きたし、期待はせずにいようと思う。