美味しいモノ
2023年4月18日(火)
片付けも仕込みも終わって深夜。
ハイボール飲みながら『キラービー(原題Swarm)』を視聴。
酔いも覚める、実際に起きた事件をベースにした本当に無茶苦茶イヤなドラマ。
子供たちをこういう悲劇から守ろうと思うと、俺はまずは貧困からの脱却が大切なのではないかとずっと思っていた。
しかしその脱却のための「足がかり」すら無い。信頼できる相談相手がいないのだから。
義弟のけいくんとも夜中じゅうずっと話したのだが、「お兄ちゃん、『普通に生きる』って、相当難しい事だよね」。本当にそう思うわ。
世界を良くしようとなんて思わないが、せめて周囲半径100mくらいの若者にとっての「信頼できる大人」になっておかねばと思う。
朝。お弁当。
今日はおにぎり。この味玉おにぎりとは別に、更に3種類ほど小さいサイズのものをこしらえた。帰ってきた次女からは「放課後も食べられてサイコーよ!」と、喜んでもらえたようだった。
長女は弁当については何も言ってくれなかったので、こんな風に喜んでくれると作りがいがある。
次女が登校すると時間ができるので、今日も田んぼの様子を見ながら散歩。
排水溝が詰まっちゃったみたいで、土手に水が溢れかえっている。あーあーあー
水のチカラというのは、想像を絶するものがある。
この溢れた水は、あっという間に排水溝のまわりの土をえぐっていき、土手は崩れていってしまう。
一瞬。
「これを見なかった事にすれば土手が崩れてくれて、そうすれば今年の稲作をサボれるかも…」とも思った。
でもオフクロは悲しむだろうし(散歩中に近所のオジサンにも会ってしまったので、アリバイが無いどころか完全にクロだし)、急いで家に戻りスコップやらでなんとか復旧。
柿の木の根っこたちが張り巡っており、土の中の排水溝の蓋を外すのは骨が折れた。
ランチ。
前半はボチボチだったが、後半はノンビリと。
空海(町内の居酒屋さん、今は蕎麦屋さんかな)のオバちゃんが来てくれて、「ちょっとマスター、コレって本当に美味しいの?」とウチのメニューの1つを指差しながら、同業者とは思えんナイスなご質問。
オバちゃん、シラフでも失礼だったんだねぇと返してお茶を濁してキッチンに戻ろうとするのだが、「コーヒーなら美味しいの?」と更に畳み掛けてくる。
これまでなら「アンタらの地域にはまだコーヒーが来てないだろ?飲んでもわかんねぇだろうよ」と、長年培ってきたサービスマンとしてのスキル全開で返してしまっていたのだが、
俺は先月からずっと『テッド・ラッソ』を観ている。そんな返しなどするはずがない。俺の心にはテッド・ラッソが居てくれている。
『テッド・ラッソ』は、「どうして自分ばかりが苦しむのか」というような悩みのある人には、絶対なにかヒントをくれるドラマ。俺もずいぶん救われている。劇中にでてくる「Believe」の張り紙を、キッチンに掲示しようと思ってるほど。
だから、
「オバちゃん、こんな島根の山奥で美味しいものを食べようとするなんて欲が深すぎるよ」「冷静になって。島根の山奥に美味しいものなんてあるわけないんだよ」「もう、欲から開放されようよ」と、至極丁寧に説明。まぁテッド・ラッソなら絶対にこんなことしないだろうけど。でもしちゃったし。
ご一緒のお友達が全然笑っていなかったので(正確には「苦笑い」はしてた)、もしかしたら失敗しちゃったのかもしれない。
でもドンマイ、次に活かそう。テッドラッソのように。
ランチが落ち着いた頃、カミサンとS女史でInstagramの研究をしてくれる。
「照れ」もあり、我々はどうしてもSNSでの宣伝や広告が苦手。
しかし。
「不定休」という営業スタイルを選択したのだから、せめてお客様が無駄足を踏んでしまうというご迷惑は絶対に避けたい。
集客も大事だがそれよりも、ウチを楽しみにしてくださったお客様を裏切るようなマネを避けるためにも、出来るだけ多くの人に「なにか目につく」喫茶店であらねばならない。
そのためには、いくら恥ずかしかろうがSNSは手を抜いてイイものではない。
いい歳して「俺、『人見知り』なんで」とか言ってる奴ほど恥ずかしいことはないもんな。
というわけで、カミサンとS女史、今にもアタマから煙が出そうなほどに色々とチャレンジ。動画編集、効果的な文字文言。正解はないのだろうが、みんなでがんばろう。
夜はクリームシチューを作った。
長女が嫌いっぽかったのであまり作らなかったのだが、カミサンは「ゆーちゃん、好きって言うてたよ」と。
そうだったか。