瀧と『カセットテープダイアリー』と『スモールワールズ』
2022年2月18日(金)
夜。
風呂に入りながら明日もまた営業自粛の現状について考えてしまう。
東京大阪の飲食業の人たちの方がもっとずっと大変なのはわかっているのだが、どうしても「今までのお客さんからの信頼は、どんどん失っていっているんだろうなぁ」などと。
そして「瀧は、あの時どんな気持ちだったんだろうか」「あの瀧ですら、もうダメだか思ったんだろうか」とピエール瀧の事も思い出していた。
そんな夜、偶然radicoで瀧の話を聴けた。
「chance!!」という、元受刑者が出所してからの就職支援サービスをするための求人誌でインタビューに応えているらしい。
カンタンに読み終えるだろうから是非ご一読いただきたく思う。俺は風呂でモヤモヤしていたものがスッキリと晴れたから。
瀧が迷惑をかけた人がたくさん居るのは事実だから、その点を庇うつもりは無いが、俺はいまだにずっと電気グルーヴとそしてピエール瀧のファンだ。
さんざん世間に叩かれた瀧だが、逮捕されても俺は瀧も卓球(卓球については以前よりも)も大好きだ。今までのファンは全然減ってなんかいないと思う。
電気グルーヴと並ぶなど恐れ多いが、営業再開したら、喫茶とおりみちもまたあの気の良い常連様方と楽しくやっていけるはず。焦って仕方がないのだが、今はもう少し休んでおこう。
明け方までかかって『カセットテープダイアリー』視聴。サッチャー政権時代のイギリス。貧困と人種差別の中、さらに親との意見の相違で夢を諦めざるを得ないパキスタン移民のジャベドはブルース・スプリングスティーンの音楽に救われ、もう一度夢を追うことを決意する。
キラキラとした青年が夢を追うストーリーは、「何者にもなれなかったオジサン」の俺には眩しすぎる・・・。
ジャベドの親父のあまりのクソッタレっぷりも自分と重なり、感動と無力さで複雑な涙が溢れてしまう。45歳以上の「かつての若者」のみなさんは、覚悟して観た方がイイ。
朝、三女とウクレレ練習発表会。
五分五分、というところ。父親の威厳のためにも、これは隠れて練習する必要がある。
それから一穂ミチ先生の『スモールワールズ』を。20分で読めるくらいの短編小説が6話ある。中身の事は全然知らなかった。
「chance!!」を読んだ事もあり、昨夜ちょうど坂被害者家族と加害者家族の全てが過ごさなければならない「事件のその後」を坂元裕二が描いた『それでも生きていく』について調べていた。
瀧の事、そしてその『それでも生きていく』。
2つを読み終わったところに、このスモールワールズに収められている『花うた』を読むなんて、なんという読書体験をしてしまったのか。
知りたくなかった星座の成り立ちを突きつけられたような気持ちになった。
島根県の人は、特に邑南町や浜田市の人には実は無関係な話では無い。と言えば、もうわかるだろうけど。
営業は自粛中だが、素晴らしい映画や本のおかげで、精神的には少しばかりは成長できているのではないかと思える最近のマスターでございました。