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2021-10-26

うるさい2人でやっております

2021年10月26日(火)

夜中までS社長に飲ませてもらったおかげで、久しぶりの二日酔い。1週間アルコールを抜いたのが良かったのか悪かったのか。そんなに飲んでないのにねぇ。

 

それでもなんとか起き出してお弁当作り。昨夜あれほどに酔っぱらいながらも、唐揚げを仕込んでから寝た自分を褒めてやりたい。

 

子供らを送ってから、その足で今日も病院。今日はMRI。いいかげん、体調戻ってきてほしい。

 

1時間ほど待ったのだが、先生からは「今日はMRIは撮れません」と言われる。はぁ、そりゃまたどうして?

「先日大腸カメラで検査して、その時にポリープ除去されたようですね。そうすると、今まだ大腸の中に手術クリップが残っていると思われます。MRIと金属は非常に相性が悪いんです。一応大事をとって、延期にしておきましょう」

なるほど。

 

俺のカラダを心配してのご判断であるからそれはありがたい。ただ、もうちょっと早くわからんもんかね・・・。ポリープ取ったのもココの病院なんだから。

まぁ、仕方ない。

 

おかげでランチに間に合いそうで、それはそれで助かった。

 

帰ってみるとスタッフのえっちゃんがカミサンによる「風ハラ(藤井風ハラスメント)」を受けている真っ最中だった。後ろで手を組んで聞くえっちゃんがいじらしいし、カミサンがまたロッテンマイヤーさんみたいになってるのには笑いが堪えきれない。

ちなみにもう1人のスタッフであるクリエイティブSさんはとっくにやられてしまい、息子さんに藤井風の歌を歌わせて踊らせているらしい。その他、「実はワタシも風の沼にハマってしまいまして・・・」というお客様も少なくない。人気だねぇ〜

 

ランチ、ぼちぼち。

T先輩が来てくれており、俺は俺の方でも「落ハラ(落語ハラスメント)」をぶちかましてしまった。「文七元結」について軽く打ってしまったのだが、このままでは喫茶とおりみちがハラスメントまみれのお店になってしまう。

 

俺の思う喫茶とおりみちとは、絶対的な「町のファミリーレストラン」。

個性という個性を殺し、この町の誰もが気後れする事なく気軽に入ってもらえるお店。それを作る事が俺の使命である。

まずは「外で食事をする」という行為のハードルを下げ、その後いつかの将来、若い世代がこの町で自分の表現したい商店を作りたいと思った時、彼ら彼女らがそれをしやすいであろう土台をまずは俺が作る。きっとそれこそが俺の生涯の仕事だろう。

教科書どおりでいけば「ターゲットを絞っていない店は流行らない」となるのだが、流行るとか流行らないとか、こちとらそんな料簡でやってねぇ。殺しまくった俺の個性なんざ、のちのその世代が仇をとってくれるだろう。

 

とか言ってるのに、カウンターでは俺が落語についてペラペラ喋り、店のスピーカーからはカミサンがガンガンに藤井風をエンドレスで流しまくる。

まったくどうしようもないお店である。まるでカルマのかたまりだ。

 

夕方、ついに最終巻。これを読んだら終わってしまうのかと思うと、寂しくてなかなか手が出せない。去年あたりから素晴らしい漫画運に恵まれているが、この『昭和元禄落語心中』もまた俺の生涯ベストと相成った。

「わかるわ〜。『さよならべいべ』がかかったら、もうライブ終わっちゃう〜ってあの感じでしょ?」と、いよいよ比喩表現にまで藤井風を使い出したカミサンは放っておいて粛々と読み始める。

 

10巻という比較的読みやすいボリュームだったが、内容は大いなる人間ドラマ。もはや大河。

 

時間の移ろいや人物への、あっと驚くフォーカスの仕方。

「この感じ、いつか味わったような・・・」と俺の中の引き出しを探っていると、沖縄の戦後を、目指す人を探しながら必死で生き抜いた若者たちを描いた名著『宝島』を思い出したし、憎むべき相手であるとともにその人は恩人であり愛すべき人という複雑な思いは、これまた大名作映画『ムーンライト』を思わずにはいられない。(ちなみにワタシがウェイト・トレーニングをするのは、実はこの『ムーンライト』の影響が非常に大きい)

談志と志ん朝の物語のようであり、たけしに憧れしかし届かずにもがく太田光のようであり、落語/お笑いファンにはたまらんものがあるけれど、全く落語ん知識がない人でも絶対に楽しめる内容なので是非とも読んでいただきたい。落語漫画ではなく、親子の愛、夫婦の愛、そして「なにかに取り憑かれた者」のお話であるから誰にも響くはず。

お店のかどに並べておきますので、ぜひとも。談志のも良いが、八雲の「死神」はサイコーだぜぇ。

 

殺そうにも、殺しきらない。それを個性と言うのかね。

付き合うもよし、忘れるもよし。俺のろうそくはいつ消えるのか。

 

 

 

 

 


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