大雪で土建屋さんの優しさに包まれたなら
2021年1月8日(金)
大雪のため、三姉妹の学校は全部お休み。
朝食もお弁当も作らなくていい世界、それだけで俺にはサイコーだ。
しかし当店にも雪は降り続け、駐車場はもう一切稼働しない。せっかくお客様が来てもらっても、クルマが停められない。
カミサンは「ちょっとワタシが雪かきしてくるわ!」と出て行った。
俺は「絶対に雪かきなんて必要無い」、と信じていたので行かなかった。
午前10時。
土建屋S社長がどデカイ除雪車でやってきてくれて、駐車場の雪を総除雪してくれる。ほらね。周辺の雪で遊んでいた三女が飛び出して行って「ありがと〜!」
ランチ。
お店はヒマではあったが、それでもこんな日に来てくれるお客様には感謝感謝であります。ホント、助かりました。
ランチの終わり際には、今度は後輩のショウも除雪車でやって来てくれて本日2度目の駐車場の除雪。ありがたい。
1日に2度も駐車場の雪かきしてもらえる飲食店なんて他にはないぞ。
普段から行っているこの2つの土建屋さんとの黒い交際が役に立った。
夕方。
店の前の田んぼの土手で、三姉妹と雪遊び。
この後、10回くらいは滑って遊んだ。都会の子にもやらせてやりたいわ。
夜、S社長ご来店。朝はありがとうございました。
しかしこのS社長、雪かきしてくれて売上作ってくれて、三姉妹にお年玉もくれる。守護霊なのかな。
今日も俺の寝床は占領されていた。
2021年1月9日(土)
大雪。こりゃあ今日はお客様無いだろうな・・・。
案の定、キャンセルのお電話が鳴り響く。
町内の他の飲食店も「臨時休業」のおしらせを出していた。駐車場の雪かきしてるだけでランチタイムが終わってしまうもんなぁ。
とにかく一家総出で雪かき。俺も汗だくになるまでやった。
カミサンに至っては「もうイイだろう」と言っても全然止めない。雪かきが好きらしい。運動不足解消にもなるんだと。
結局今日もS社長が除雪車で来てくれて、雪を取り除いてくれた。
ランチはやっぱりヒマだった。
そして緊急の経営者会議。
夜はもうどうにもならんだろうという事で、今日の営業はランチまでといたしました。
みんなで夕食を食べてからは、一人で本を読んで過ごした。以前ほどセンチメンタルにはならないけれど、この手の「複雑な家族モノ」にはやっぱり弱い。
俺には常に自分自身への失望感がある。情けねぇ野郎だなと、いつも自分を蔑み恨んでいる。
俺もいつか自分を許せる日が来るんだろうか。
「感謝」というのは、ガキの頃から比べりゃあ随分と感じられるようになってきたとは思うけれど。
できるなら、自分自身にも「よくやったな、お前」と言ってやれるようになりたい。せめて死ぬその瞬間にくらいには、そんな風に思えるようになっておきたい。
と、思ってしまった『クスノキの番人』だった。