三瓶山にゆく
2020年3月1日(日)
土曜深夜、酔っ払いがカウンターに居座る。
酔っ払いが言うには「俺はお前のオヤジの事をよく知ってる」んだと。はぁ、そうですか。もう帰ってくんねぇかな。
「俺は訊いた事があるんだよ。息子(俺)と娘(俺の妹)のどっちの方をかわいがっているんだ?って、お前のオヤジにな」、・・・なんという人間のクズのような質問。
「答えは知っているけど、まぁお前には内緒だ」。クソ馬鹿たれが、誰がそんな事を訊きたいと思うかよ。
俺とオヤジはシンプルな関係ではなかったが、それでも十分すぎるほど愛されて育ってきたと実感しているし、それは妹も同じのはずだ。
そんな下世話な事をわざわざ訊いて楽しもうというのは、もはや人間ではない。
人間は自分の選んだ「好きなウソ」を信じて生きていけばイイんだよ、他人の人生に酒飲みながら介在しようとしてくるんじゃねえ。
それまでも聞くに耐えない昔話を自慢気に聞かされていたが、そろそろ我慢の限界。こんなクズ、久々にもうやってもうたろか・・・。
やってもうたろか・・・?やってもうたろか・・・???
「やってもうたろか」が出たって事は、やったぜ、抜けた!ついに抜けれたぞ!
うつ状態の時は常に「この世の森羅万象、全てにおいて『俺が悪い』」という思考のみがアタマの中を支配し、とにかく夢の中ですらも自分を責め続ける。何が起きても「俺のせい」、「俺さえいなければ全てが上手くいくのに」という感じに。
それがようやく「テメー、もう一回言ってみろよ」が出たって事は、(100%イイとも言い切れないが)感情の回路が元に戻りつつあるという事!
酔っ払いのクソジジイ、ありがとう!てめぇのおかげで、少し回復できそうな気がしてきたぜ!よし役目は終わりだ、さっさと帰れ!!!あと、二度と来るなよ!
いやぁ、何がきっかけになるかわからんが、こんな事もあるんだなぁ。
このように「人間の生理というものはまるで解明されていない」。認知行動療法や「うつ」の本ではこんな荒療治は読んだ事はないが、俺には多少なりとも効果はあった。
約1週間落ちてしまっていたが、これで回復に向かえそうな気がする。
そういえば昔、長女が不登校に苦しんでいる時も「絶対に怒ってはいけない。無理に学校に行かしてはいけない」と習ったのだが、あの時も「もう許さん!明日から学校に行け!」と怒鳴った次の日から普通に登校して行ったものだった。
どちらさまも「良い子はマネしないでね」でございますが、こういった事例もココロに留めておいてやってくださいませ。
夜はぐっすり眠れたような気がする。
朝、カミサンの提案で大田市の三瓶山へ。
非常に過ごしやすい天候。暑くもなく寒くもなく。
山も原っぱも貸切。東京や大阪の子どもたちはお家で缶詰状態と聞くが、みんなここに連れてきてやりたいわ。
感じのイイレストランもあって、ピザやハンバーガーも美味かった。
それにしてもこんなに素晴らしい場所なのに誰もいないとは・・・。子どもたちはミニバレーボール。カミサンは地球を感じながらスマホのアプリでヨガをしていた。
ラグビーごっこもし放題。子どもたちは走りに走って、クッタクタになった。
俺もずいぶん笑顔になっていたと思う。カミサン、よくぞ連れ出してくれた。本当にありがとう。
それからみんなで温泉に入り(こちらも貸切状態だった)、夕食も済ませて帰宅した。
俺はまだ胃や腸の調子が悪かったので野菜しか食べれなかったが、子供らはジンギスカンをたくさん食べた。三女が言うには「今までで一番サイコーの日曜日だったわぁ〜〜〜」らしい。そんな事言ってもらえたら、それでまたパワーが戻ってくるよ。
2020年3月2日(月)
今朝からまた朝食を作れた。
誰よりも早くに起きることができたし、間違いなく回復基調にあると感じられる。
みなさんにもずいぶんありがたいメッセージや応援を頂きました。ご心配をおかけし、ほんとうにすいませんでした。ようやく戻りつつありますので、これからもまたよろしくお願いいたします。
ランチ。後輩のショウも心配してやってきてくれて少しおしゃべり。また悪魔のような俺が取り戻せた時には朝4時まで飲もうやとお約束。
今日は高校の卒業式があったようで、13時ころから満席御礼ありがとうございました。ずいぶんとお待たせしてしまったお客様もあり、申し訳ありませんでした。
全てのご注文を出し終えたのは14時半を過ぎていた、というのはお店が始まって以来の事だと思う。
夕方、今年度の授業の全てを終えて子どもたちが学校から帰ってきた。
これで春休みがスタート。長くなったお休みに喜び勇んで帰ってくるかと思われた三女は、大号泣した跡の泣きはらした顔で帰ってきた。
もう5~6年と片思い中の「ハクト王子さま」。その王子がこの春ついに転校してしまうことになってしまったらしい。それは可哀想に・・・。
近くで見ていても、それは実らぬ恋だろうと思っていたが、別れは辛い。トボトボとリビングに向かい「もうちょい泣くわ・・・」と言った三女の後ろ姿、俺もカミサンももらい泣きしてしまったよ。
人の悲しみを一緒に悲しめる。これでまた、もうひとつ感情が帰ってきてくれた。徐々に徐々に落ち着いた精神が取り戻せつつあるのがわかる。
夜はおヒマな営業だった。3月は毎年こんな風にランチが忙しくて夜がヒマ、休める時はしっかり休んで体力と精神をすり減らさないように過ごして行きたいと思う。
大量に出た宿題から現実逃避の三女。遅くまでピザに添えるカード作りというお手伝いに励んでくれていた。