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2020-02-13

La Haine

2020年2月13日(木)

リニューアルオープンから1週間営業し、今日は仕入れのためにお店は閉める。

「休み」ではない。仕入れのために営業が出来ないだけで、仕事としても重要な休業日だ。

 

しかしそれはお客様にとっては何の関係も無いことはわかっている。だから「1組だけなら俺1人でもやれるかも」と思ってしまい、つい、かかってきた電話に安請け合いしてしまった。

 

その「マスタ〜、リニューアルしたらしいじゃん〜今日行くわ〜〜」と無邪気に電話をかけてきて、せっかくの休みをぶっ潰してくれたオジサンだったが、

予約の時間を1時間過ぎても来ない。連絡も無い。

 

当然お店の照明は点けているもんだから、不定休になった事は知らないお客様は次々にお店に入って来られる。「closed」の看板など、何の役にも立たない。

せっかくいらっしゃったお客様から「お前のとこ、いっつも臨時休業だな」などと言われながら、同時に「やってないの?」の電話に受け答えする1時間。

 

本当はカミサンと仕入れに行くはずだった。

俺が安請け合いしたせいで、俺よりもっと疲れているカミサンは1人で広島往復、1人で仕入れをせねばならない。

 

カミサンに全部任せてしまった事、ひたすらお客様に謝り続けることで、だんだんと心臓辺りがギュっとなってきた。

 

「すいません」「申し訳ありません」。別に誰も俺を責めているわけでは無いのだろうけど、徐々に「俺が全て悪い・・・」とモヤモヤしたものに締め付けられるような気がしてきた。孫悟空の緊箍児(あの頭の輪っか)みたいなので。

 

とにかく正気を保とうとしていると、例のおじさんから「お弁当が出てさ〜、それ食べちゃった」という電話があった。

自家中毒が全身に回りきった。「俺が悪い」という毒が。

 

電話やお店の玄関で謝り続けるのにくたびれてしまい、「はい、17時ですね。かしこまりました」などとテイクアウトのご注文も全て受けた。

一瞬出来たスキマ時間にも「太陽光発電システムの欠陥がありまして〜」という営業マンがやってきて邪魔をする。「お休みのところ、申し訳ありません〜」。コラ、誰が休んでるんだ?誰が休んでるんだよ?

 

仕込みしながらカミサンから「長女のお迎えは?」の電話が鳴る、わかってる。

三女はお腹が空いている。

次女のバレーの練習の送りもしないといけないが、その時間はテイクアウトのご注文がある。練習前のおやつも作らないと。

 

子供らの夕食はもうパスタでイイ。パスタで済まそうと思っているところに、オフクロが「スパゲッティサラダ作っておいたわよ〜」・・・。

パニックだ。

でもなんとかやり遂げた。

 

仕入れから帰ってきたカミサンも相当疲れている。今日起きたアレコレについては「そういうのは先手打たないと」で終わった。

「でも、まぁ聞くけど?」と言っていたが、別に聞いてくれと頼んだわけでもない。

 

俺は今日のこの一日で、いったい何を得たんだろうか。


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