カミサン、『万引き家族』を観るの巻
2020年1月20日(月)
俺は早めに寝てしまったのだが、カミサンは夜ふかしして『万引き家族』を観たらしい。朝、「結論のない映画だった」という、感想というかため息みたいなものを聞かせてもらった。
「是枝映画」の特徴がまさにソレだが、『万引き家族』は監督がもっと観客や登場人物を突き放したような映画だと思う。批判的な人にも、なんなら「感動した!」なんて言ってる人にすら「は?これで世の中わかったようなつもりか?」と。だからカミサンの批評はもっともだと思うし、安藤サクラの演技がすごかったくらい、というのも案外いっしょ。俺は結論どころか、映画の内容自体もぼんやりしてる。
ただ、去年俺が観た時に思ったのは「自分のスケールがどんどん小さくなって来てる」。
10代ならこの映画を観た時に「こんな社会はおかしい。俺がもっとよく変えてやるんだ」と思っていただろうに、いつの間にか「せめて自分の家族だけは守りたい」くらいにしか思えないオジサンになった。社会への諦め、「変える」どころか「自分の家族だけは」なんて、俺もずいぶんちっぽけになったもんだ。
お金持ちはさらにお金持ちに、そうでない者はさらに厳しい生活が待っている。
いろんな事が間違っている世の中だとわかっているが、あらがっているようで受け入れている。たしかこの映画を観た時に、そんな自己批判みたいな事を思ったような。
朝、土曜日から調子の悪そうな三女は、念願叶って「今日は休んでヨシ」。学校ではインフルエンザも蔓延してるようだし、実際リンパも腫れているみたいだから病院に連れて行く事にした。全然元気なんだけれども。
俺は今日も木材にヤスリがけ。ようやく半分が終わった。
あまりに安価な木材を買った俺に問題があるのだが、正直ヤスリがけもう飽きた。もしお庭に木で柵を作ろうという方がいらっしゃったら、ぜひとも安い木材は避けていただきたい。
なかなかカミサンと三女が帰って来ないと思っていると、LINEの着信があった。え〜!あんなに元気なのに〜〜〜?
「注射されてサイアクだった〜」と言いながらも、病院から正式にお休みをいただけたのが嬉しい三女。満面の笑みで帰ってきた。よかったね(って、言ってエエんかな)。
昼過ぎからはこのホームページをもうちょい見やすくするために、webの方のデザイナーさんと打ち合わせ。
町内のイケてるカフェ「こめじるし」さんにて。お、おしゃれだ・・・。
しかしこのホームページに関しては「イケてる感じには作らないでほしい」と伝えた。あくまで田舎の喫茶店、絵本のような優しい見やすいものをとお願いしておいた。
留守番させてた三女はピンピンしていた。
むしろ普段の3倍くらいは元気そうだな・・・。「今ちょうど体育の時間のはずなのよ〜」。だからってルームランナーやらんでも。
夕食後、カミサンは今日もキッチンの模様替えに挑む。が、やはり良いアイデアが浮かばないらしく、しかめっ面に終始していた。
三女も「パパぁ〜、眠れない〜(明日も休みが嬉しくて)」とモゾモゾしている。
計算ドリルを作ってやって、タイムレースさせてみた。足し算と引き算のかんたんなやつ。たった3枚だけだが、案の定「ぱ、パパ。眠たい・・・」と、あっさりベッドに戻っていった。ちょろいな〜〜。
いつかもう少し大きくなった時、三女にも『万引き家族』について聞いてみたい。周りを笑顔にするチカラを持つ三女が、どんな風にこの映画を観るのかを。
俺にはどうやら社会をよくする事は出来そうにないが、足し算と引き算もおぼつかないこの三女なら、もしかして何か出来るような気がする。いや、もうすでに十分してもらっているか。