スーパーアルバイト

   

2019年3月30日(土)

ランチ。オープンして20分で満席、こりゃあイイ思い出になりそうでちょうどイイわと思っていた。

 

中学の頃、1コ上(2年)の「番」が非常にクズ野郎で、俺は毎日毎日煮え湯を飲まされ続けていた。パシリ、タカリみたいなおよそ男の風上にも置けん事ばかりしてるくせに、いざ出入りになると姿を見せないという、「政治家かよ」みたいなヤツだった。

そんな事ばかり繰り返しているせいでそろそろ仲間内からの人気も失い始めたようで、本人もこれじゃあ立場も危ういと思ったのか、もう1コ上の学年(3年)の不良グループに「チャレンジする」という事になったらしい。

で、まぁソイツも期待を裏切らない。

その「チャレンジの相手」に選んだのがO先輩。確かに不良グループの中にいるかもしれんけれども、O先輩って俺ら後輩をいじめるような人ではない優しい人だし、見た目は少し派手とはいえ、不良というかスポーツマンのジャンルの人。

つまり「3年にチャレンジする」と宣言はしたが、その中でも最も無害で与し易そうな人を選んだワケだ。あまりもダサい話だが、ソイツのやりそうな事である。

 

結果、O先輩にただの一発でノされるという「逆伝説」みたいなものを残してくれた。ひっくり返って腹抱えて爆笑していたもんで、あとからソイツの取り巻き達に徹底的にシメられたのだが、いやぁあんだけ笑わせてもらったんだもん、オッケーよオッケー。

その後、俺の中ではO先輩はスーパースター。中学でお話する事は一度も無かったが、今でもずっと「O先輩、ありがとうございます!」と感謝している。

 

で、なんでこんな与太話をするかというとだ。

その恩人ともいえるO先輩の奥様こそが、当店が誇るスーパーアルバイトのSさんなのだ。なんというこのご縁よ!

そんなO先輩ご夫妻が家族で食事に来てくれているときに「次のお仕事が決まるまででイイんで、良かったらウチで働いてもらえんでしょうか?」と、まだ小さいお子さんがいて大変なSさんにダメ元でお願いしたのが半年前だった。

 

そしてあっという間に秋、冬が過ぎた。短い時間だったとはいえ、あとから振り返ればこの期間は喫茶とおりみち史上間違いなく「Sさん期」。Sさんのおかげで喫茶とおりみちは大きく前進した。

sukimonoが看板やキッズルームなどのハード面作ってくれたのと同じく、スーパーアルバイトSさんが小物やディスプレイなどのソフト面を作ってくれた。この二組がとおりみちを大きく前進させてくれたのは間違いない。

更に、そんな目につくところだけでは無い。Sさんは忙しいキッチン内では何度も何度も戦争(夫婦ケンカ)を未然に防ぎ、ナイーブ過ぎるマスターの悩みも毎日聞いてくれた。「わかるわかる〜」と言ってくれたことが、どれだけ我々夫婦のココロを救ってくれたことか。

 

たしかにSさんがウチの店内で働く事はもうないのだが、お料理を運んだりお会計をしたりするだけが「仕事」ではない。今後も引き続き我々夫婦、そして喫茶とおりみちを見守り続けていてほしい。

Sさんの笑顔と優しい言葉は、これからももっと多くの人を幸せにするだろう。我々夫婦がそうであったように。

そしてSさん自身の人生ももっともっと幸せになって欲しいと願う。ずっと助けていただいた分、こんどは喫茶とおりみちがSさんの支えになれるようになれねばならんなとも思う。夫婦ケンカなどしていたら、Sさんに心配かけてしまうからもうしません。

 

帰り際、Sさんからプレゼントをもらった。前にお願いしていた「オセロ」だ。なんちゅう素敵なモノを残していってくれるんや・・・。

 

寂しい気持ちでいっぱいだが、これでもう会えないという事ではない。ちがう職場にいてるというだけで、ココロが離れてしまう訳ではない。「またいつか・・・」と思いもするが、それはもっとずっと後でもイイ。

ありがとうSさん。あなたは我々夫婦の天使でした。マスターの中学時代を救ってくれたO先輩が、こんどは中年になった俺も助けてくれるなんてね。ホント凄い話だわ。

またすぐに遊びにきてね。俺たちがんばるからね。

 

夜営業、またもやすぐにお席が次々埋まる。マジで「Sさ〜ん!いますぐ帰って来て〜〜〜!」と思ってしまった。情けなや。


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