IQ

   

2019年1月23日(水)

夜中、『羊の木』鑑賞。テンションの上がるような映画を観るはずが、人間のしかも「田舎暮らし」のイヤなところがヌル〜っと滲みてくるようなヤツを見てしまった。だいたいジャニーズ事務所というのは演技が上手い役者揃いだが、錦戸亮ってのは間違いなくその上位だと思う。そしてその錦戸亮だけでなく、龍平、北村一輝、田中泯、SRサイタマノラッパー「TOM」こと水澤紳吾と、まさに「きっと実在する」と思わせる不気味なのに自然な演技。TOMはどんどん川谷拓三みたいになっていくなぁ。

しかし圧巻は間違いなく優香。もし人生の終わり際にこんなんに出会ってしまった人は果たして幸福なのか不幸なのか。俺は絶対に出会いたくないわ。

 

寝不足だが、ハイボール飲まずに眠ったおかげで朝は調子が良い。今朝は昨夜三女と一緒に仕込んでおいたホットケーキにした。栗きんとん入り。みんなよく食べた。

 

ランチ。キッズルームもカウンターもぎゅうぎゅう、満席御礼ありがとうございました。

 

何日か前から読んでた『IQ』をやっと読み終えた。吉田大八監督には悪いが『羊の木』はもう、消え去ってしまったよ。心底「出会えて良かった・・・」と思った本。書評などは書く気はないが、感想なら1万字は越えてしまいそうだ。

早くに両親を亡くした主人公の黒人青年IQ(アイザック)。両親の代わりとなって育ててくれた兄マーカスの応援もあり、貧困地域で暮らしながらも学業優秀、将来はハーバード大へと明るい未来が待っていた。しかし、マーカスはひき逃げに遭い死亡。絶望の中、生活も困窮し、ついにギャングのドッドソンと手を組む事に・・・。

という過去を物語の合間合間に滑り込ませつつ、本題は「有名ラップミュージシャンが誰かに殺されそうになっている。犯人を捕まえて欲しい」という私立探偵モノ。アメリカの書評家には「現代のシャーロック・ホームズ」なんて評価もあるらしい。

 

ま〜、カッコいいんだわこのアイザックが。頭脳明晰でマシンや武器にも強い、クライアントからの依頼は遂行するが、あくまで立場は対等。アタマも腕も精神も超一流なのだが、ココロの闇は晴れることはない。

それに引き換え、腐れ縁でこの「どこかヤバイ」仕事を持ち込んで来たドッドソンの野郎ときたら、まぁどうしようもない・・・。今ではギャングから足を洗い一応は「実業家」のようだが、目先の金に飛びつき、その場しのぎで問題は先送り。自分さえよければイイというような男の心根は変わらない。アイザックはシャーロック・ホームズだが、お前はワトソン君にはなれないわ・・・。

 

ただ、どちらの男に共感できるかというと俺はこのドッドソンの方。ずるく、卑怯で、短気。バカで、卑屈で、暴力的。いつもココロにあるのは、アイザックの能力への嫉妬心・・・。俺の情けない部分が全部ドッドソンを通して書かれちゃってるような気がして、どうしても憎めない。

そりゃあ俺だってアイザックのように生きられればと思うけど、どうやっても「生涯ドッドソン役」。読めば読むほどアイザックの崇高な精神からは遠ざかっているのを自覚させられるように思えてきてキツい。アイザックってば、事故で半身不随になってしまった孤児への治療費も出しちゃったりしてるからね。

しかし、後半ドッドソンが「男」を見せてくれるんだなぁ。「よぅし、ドッドソン!よくやった!」ってめっちゃスッキリさせてくれる。だから、ヒップホップ用語やスラングや、有色人種同士の麻薬絡みの殺し合いなど、普通に日本に暮らしていたら全くような世界観でわかりにくいかもしれないが、どうかどうかぜひ読んでいただいて、ウチのカウンターで語りあえたらと思います。

作者は日系アメリカ人のジョー・イデ。58歳での作家デビューって夢があってイイなぁ。それにしてもどうして58歳の日系アメリカ人がこんなにヒップホップやギャングのリアルに詳しいのか。これがデビューだから、そこの謎解きも徐々に明らかになって行くのかな。

 

過去と現在を行ったり来たりしながらこの凸凹コンビが問題解決していく様は、さながらガイ・リッチーの映画を観ているよう。まてよ、そういえばガイ・リッチーといえばホントに『シャーロック・ホームズ』撮ってるな!こりゃあ映画化あるんじゃないか?

 


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