「夏休み自由研究楽しみだ」のマスターによる見立て

   

2018年12月20日(木)

今日は年末年始の営業予定を、これまたスーパーアルバイトのSさんが作ってくれた。最近はこんなんも全てSさんに任せてやってもらってる。サイコー!これで、ようやくお知らせができるぜ。

 

ランチ終わってから次女のお迎え。しかしなかなか出てこないので本を読んで待った。最近はいつも一冊は車に置くようにしてあるが、そろそろ完全電子書籍も近いような気もする。

 

なになに、「仕事で大変な目に遭いながらも、夫は帰宅してすぐに朝食の洗い物をし、そして次は夕食作りに取り掛かった」。あ〜ハイハイ、ありますわね、そういう時。「子育てで疲れている妻の労働時間を少しでも減らしてやりたかったのだ。しかし、そのせいで夫婦仲は最悪なモノになってしまった」。まぁこれも世界中で起きてるどころか今まさにこの島根の山奥でも起きてますし。しかもしょっちゅう。

「よかれと思ってした事が、実は相手にとっては見当違いであるという事はよくある。夫は献身的な自分に酔い、『俺が与えているものに気づきもしない!』と言って妻を自己中心的と決めつける。もちろん逆もある」。はぁ〜、思い当たる節しかネェな。

「このようなことは企業のマーケティング担当者と顧客の間によくみられる」、ってこれ実はマーケティングと商品開発についての立派なビジネス書。その他、商売に大切な事がたくさん書かれてるんだけど、まぁここの一文だけでも十分胸に突き刺さりました。

「一番近くにいるカミサンを喜ばせてやれねぇのが、どうしてお客様を喜ばせてあげられる?」とは古今亭志ん朝師匠の言葉だが、全くそのとおりでございます。

この章では「自分を犠牲にできる者だけが、むしろ成功するのだ」とまとめられているが、商売(夫婦関係)というのはホント大変だわ・・・。

 

夜。引き続き、島根県民文化祭の短歌、俳句、川柳の評論を読む。

夏休み 自由研究 楽しみだ

「なんか、可愛らしい俳句があるのよ。『自由研究、楽しみだ』だって〜」と、カミサンから聞いていた。確かに俺も最初聞いた時は「ん?なんだそりゃ、保育園児みたいな俳句だな」と思っていたのだが、文字で見たら全然違う。これは絶対「ボケ」を演じてる。彼、多分そうとう頭イイな。

まさにシンパシーの極み。日本全国の中学生を代表したかのような素晴らしい俳句じゃないか。「夏休み自由研究楽しみだ」。やってくれたな、この棒読み感。エクセレントである。大賞もらえなかったみたいだから、俺が彼に「とおりみち大賞、副賞として『桐島、部活やめるってよ』のBlu-ray Disc」もプレゼントしたい。

 

ここで論評されてる先生は「きっと、ずいぶん前から研究している事を発表できるのが嬉しいのですね」みたいな、ありがたいお言葉を書いてくれていたけれど、ここはハッキリと「ち〜が〜う〜だ〜ろ〜」と豊田真由子先生の方の名言を引用させていただきたい。

 

この非常に低温な「夏休み 自由研究 楽しみだ」という俳句から感じるのは、圧倒的な反権力、カウンター。冷たい冷たいこの俳句、これメチャクチャ良いよ。

 

全男子中学生の総意として「自由研究みたいなもんは、クソだるい」で決まりなのである、これもう決定事項。な〜んで大切な夏休みを使って自由研究などさせられなければならないのか。

だからこの俳句から聞こえてくるのは「今、センセーに言われて、仕方なしに俳句書かされてるんですわ」だ。

 

終礼の時間に前の席から回ってきたプリント、「書けた奴から帰ってイイぞ〜」の先生の声、「ハイハイ、あんたらが気に入るような事書いときゃイイんでしょ?オッケーわかった、書いてやるよ」というきっと成績は優秀であるのだろうが不良性を持った彼のその視点と、それでいて自分以外誰一人傷つけない「ボケ」のセンス。いろいろと映画的で、この五七五に彼の周辺の時間の流れや空間、何もかもが忍び込んでいる。

彼から見た「学校教育の低レベルさ」や窮屈極まりない中学校生活、彼が過ごしている青春時代に対するありあまる批評性がこの「棒読み」で伝わってくる。そして線引のセンスもイイ、俺ならつい「夏休み 自由研究 楽しみっすわ」にしてしまうところだ。そうすると、傷付く人が出ちゃうもんな。

カミサン以外にもこの俳句を笑った人はいるだろう。上段から無傷のつもりで彼を笑ったんだろうが、そいつらまるごと彼に蔑まれているんだよ、彼は「島根県民文化祭」まるごとぶった切っているんだから。しかも自分以外誰も傷つけずにってのはまさに「不良の鑑」だ。

きっと本人も「は?アレが優秀賞?笑」とか思っているんじゃなかろうか。あれだけの批評性を持ったこの俳句が「優秀賞」とはね。

きみには島根は狭かろう、大学は東京に行くのをオススメするよ。島根じゃ丸くなっちまう、どうかその優れたトゲトゲの不良性を持ち続けられますように。


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