シェイプ・オブ・ウォーター

   

2018年11月28日(水)

深夜『シェイプ・オブ・ウォーター』視聴。

カレーが食いたい日は、他のどんな美味い物で腹を膨らませようとカレーが食いたい。俺は今『ボヘミアン・ラプソディ』がどうしても観たいので、他の映画を観てもなぁと思っていた。しかし!生意気抜かしまして、大変申し訳ありませんでした!

良い!たいへん素晴らしい映画だ『シェイプ・オブ・ウォーター』!『美女と野獣』や『人魚姫』などに対する厳しいアンチテーゼ映画を観ながら、自分でもずっとモヤモヤしていた「俺ってなんでこうも無思想なのか?」に合点がいった。

 

多くの人が「権力」やら「体制」などには抵抗があると思う、俺だってそう。ただ俺の場合は、「反権力」も「反体制」の側も苦手。原発の問題に対しても、推進も反対も「両方胡散臭ぇ・・・」とどちらにも肩入れ出来ないこの感覚がよくわからないでいた。俺、チェ・ゲバラですら信用してないしね。

 

この映画は、冷戦のさなか1962年のアメリカが舞台。子供の頃の虐待のせいで声を失ってしまった40歳の女性イライザは、軍の機密機関で清掃員として働いていた。ある日その秘密機関に、アマゾン川で捕獲された「半魚人」が運ばれてきて、イライザはその「半魚人」に一目惚れしてしまう。しかしその半魚人が人体実験の末に殺されてしまうという計画を知ったイライザは、半魚人を逃がそうとするのだが・・・。というお話。

『シェイプ・オブ・ウォーター』ってくらいなんだから全編ずっと「水」が関係している。碧く、エメラルドで、時には赤く、2時間中画面がずっと美しい。R指定は15歳らしいけど、30歳でもまだまだこのエロスはわからんと思うな〜。

 

物語は中盤から権力者は権力者ではないし、弱者は弱者でもなくなっていく。結局どんなモノゴトも全て、それは今自分に見えている部分だけを見てわかったつもりになっているだけであり、そしてその見えている一部分ですら真実なのかどうかは誰にもわからない。更に言うと、自分でも自分の事がわからないはずだ。

だから、「愛情」とか「守ってあげたい」とかいう優しい気持ちが芽生えたならば、もうそれだけでいい。

1962年なんて、世界中が男尊女卑や黒人差別やらで溢れかえっていた時代で、なんならそれが正しい事とすら教えられてきたんだろう。物語の悪役、権力者であるストリックランドだってこの時代を生き抜くために頑張ってきた男、彼だって時代の被害者だ。この時代の価値観で生きさせられてきてしまった

 

だけどどんなに時代が違っても、優しくしてあげたい、困っている人を助けたい、この価値観だけで生きていけば間違いはないと思う。

いや、間違ってもイイ。裏切られたり、騙されたりしても、それでも優しさは永遠だ。

 

娘たちには「優しさ」の尊さを知るためにも、絶対に観てもらいたい映画なんだけど、ちょっと20歳は越えてもらってからの方じゃないキツいセクシーさなんだよな〜。そこのマイナスポイントがあるので、この『シェイプ・オブ・ウォーター』は4億9999万9995点と言ったところでしょうか。

あと、やっぱり『ボヘミアン・ラプソディ』欲は治まらなかった。


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