FENCESの毒
2018年6月20日(水)
低気圧だな。
「罪悪感無く目覚めたいから」とせっかく酒を抜いているのに、映画『FENCES』のせいか非常に寝覚めが悪い。いや、悪い夢でも見たのだろうか、「俺さえおらんかったらオヤジもオフクロも、カミサンにももっとイイ人生があったろうに」。これが今日の寝起きの心境なんだから、こりゃあ酷い一日になりそうだ。
落語を聴かなくなって久しい。しかしそういえば俺が酒を止めようと思う時、そこには「芝浜の勝五郎」や「子別れの熊五郎」の幸せなラストシーンが浮かんでいるからなのだが、今はどうもノらない。人情噺も説教に聞こえてしまうし、上手い与太郎噺や粗忽噺を演る人はもうみんな死んだ。
大量のラジオは聞いているが、その情報量が消費能力を上回っているんだろう。昇華できない思いみたいな感情が俺の脳を侵食しているようだ。ラジオは止めて考え事をするべきなのに。
気持ちは重い。でも、やるんだよ。
今日は唯一の総合病院「邑智病院」に出向き、ハッピーアワーのチラシを持って営業活動。従業員数でいえば町内では上位5位以内に入るんだから、ここでもしっかり宣伝したい。
けど一体何のためにやっているのか?家族のためか、自分の夢か。
カミサンからは「子育ては楽しくないの?」と訊かれたが、二元論では無いだろう。楽しい時もあれば辛い時もある。ただ、商売が上手くいっていなけりゃあどうなるかは容易に想像が付く。子育てにならば「ちょうどいいぐらいに」なんてのがあるかもしれないが、飲食店は「繁盛してる」か「潰れるか」しかない。
さすがに40も越えれば自分の出来る事と出来ない事くらいはわかる。最近ようやく出来ない事には諦めがついたが、せめて「出来る事」だけは頑張りたい。
張り詰めるのが俺の悪いくせだ。
どうせ起きても罪悪感にまみれているなら、せめて夜の寝入る寸前までは愉快な気分になれるように酒を入れるのも、なんならその方が家族のためだったりするのかも。今夜はもう飲もう。