今度は投げ飛ばしてやるから、次は木村庄之助連れて来い
2018年3月16日(金)
ランチ後、再び整体へ。
背中の痛みがあと少し残っている。ゴールは見えているような状態だが、早く治したい。「ぜいたくか?」とも思ったが、このひとつきに二回も整体へ行かせてもらった。
「この筋肉、要る?」と整体の先生にいぶかしがられながら施術してもらう。「多分、ちゃんとウェイト出来てないんじゃない・・・?」と、筋トレのやり方を不審がられる。確かに、おっしゃる通り・・・。
ジムにはトレーナーは居ないので、youtubeなど見ながらの我流のトレーニング。「う〜ん、それで可動域が出てないから効果も少ないかもな。バランスも悪いし、それがカラダの痛みの原因になってるんだと思う」。・・・か、悲しい。
でも、イイ。間違った筋トレだろうと、ココロも多少は鍛えられた。去年の今頃といえばすさみにすさみ、挙句の果てには酔っぱらいのお客様と大喧嘩になり、駐車場に放り投げるという失態も犯してしまっていた。カオルさん、あの時はすまんかった。
その頃と比べたら、今はココロは穏やか。これもひとえにダンベル、バーベルのおかげである。筋トレ自体に罪は無い、ゼッタイにやって良かった。
夜、ちょうど良い忙しさ。お客様をお待たせする事もないし、娘たちの食事も万全。
が、とある酔っぱらいがクダを巻く。「だいたいマスターは商売が下手くそ!もっと酒を飲む客を呼び込まなきゃ!」、5年位まえにクンロク入れてやった産廃屋の社長がカウンターでからんで来る。うるせぇな・・・。
俺が商売下手くそだとして、それでオッサンに迷惑かけたかよ、え?「いや、そういうことじゃなくて!もっと俺たちが来やすい飲み屋にしてくれよ、って言ってんだ!」
なるほど一理ある。確かにオフクロがこの店をやってた頃とくらべりゃあ、酔っ払いが来にくい店になったかもな。
ただ、その酔っぱらい達のせいで「食事やオシャベリ」がしにくいというお客様もあったはずなワケよ。家族で赤ちゃんと一緒にお食事したいというお客様も、そういうお店は避けるだろう。
「アルコールを飲まれなきゃ、売上無いだろう?だったら、そんな客よりワシらが来た方がイイじゃない(笑)」。後ろの席で、仕事帰りにカツカレー食べてくれてる運送屋のお兄さんに丸聞こえだ。
「マスターもウチのライオンズクラブに入ったらイイんだよ。そうすりゃ社長連中や議員たちがたくさん飲みに来てくれるんだから!」
カオルさんを放り投げたのは反省してる、あの人は本当は悪い人じゃない。けどこのオッサンはダメだ、外に捨てよう。
しかしすんでのところで、土建屋S社長が飛び込んで「かずまさん!ワイン飲みましょう、ワイン!」と間に入ってくれた。あやうく去年の過ちを繰り返す所だった。何が「ココロを鍛える」だ、何も成長してないわ俺。
S社長、本当にありがとうございました、助かりました。「マスターは悪くないんよ〜」とも言っていただいた。
かつてここはスナックで、オフクロがその「ママさん」。小さい頃から毎晩酔っぱらいに囲まれる生活だったせいで、「地元」「酔っぱらい」「ライオンズクラブ」みたいなものに相当な嫌悪感がある。あと「町会議員」で役満な。
そしてその「嫌悪感」からいただいている「売上」で学校を出せせてもらった、生活させてもらったという自己嫌悪。どんなに嫌おうが、その嫌悪感たちのおかげで今の自分があるというジレンマが俺の人生の相当な部分を占めている。
最も憎むべきかつ感謝すべき対象、それがまさにこのカウンターの酔っぱらい。この先も憎み続けるのか。
でももうイイ、許す。生活費と引き換えに、小さい頃の俺から母親を奪い地元を憎ませた酔っぱらい。あんたらのおかげとまでは思わんが、振り返れば神戸・東京と楽しくやってこれたのは、スナックで育ったという部分も大いにあるだろうし。
今夜の店内の席もほぼ埋まっている。ファミリー、お友達同士、仕事帰り。酔っぱらいに頼らんでも、こんなにお客様は来てくれている。商売が下手くそ?いいねぇ、最高の褒め言葉だぜ。
仕事終わり。なぜか娘たちが俺の寝床で寝ている。今夜は俺も映画無しで寝よう。